狩人の夢　第十一夜

1 ：狩人 ★：2025/08/17(日) 01:29:50 ID:???

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ヽ､　　　 ｀`````｀∧ ヽ:.ヽ ヽ{＿_,,..　-‐......."~／................~,ﾆ=-｡,_　　 　｀丶、弋､
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【ここの板の基本ルール】
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ここの板の基本ルール(2013年9月改定)
1　本スレでの予想は禁止、雑談は基本避難所で
　　→内容が投下内容の本筋に沿わないもの、3行以上の長文等は禁止です
　　　 安価付雑談は全て避難所でお願い致します。
2　補足説明はok
　　・そこから発展した議論と雑談は避難所でやること。
3　誤字、脱字に関する書き込みは推奨
　　→訂正元についての安価をつけて下さい
4　自治不要
　　→違反者はその都度☆凜(>>1)が対処するから自治レスは禁止

その他、雑談所で自重するように言われたもの
*共産主義、資本主義等の**主義関連、宗教関連
　その他加熱し易い話題は禁止。
　他スレの話題は常識の範囲内で許可。
みんな仲良くの原則に外れそうな話題はやめましょう。

作者さんより　「少しの気遣いでみんなが幸せになれるという事です。」

同志より一言
2137 ：◇PxpsTgDRu.★ ：2014/11/12(水) 00:30:50 ID:???0

専用ブラウザ入れてない方は導入を強く推奨します。
すごく便利なのでご検討の程を。

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狩人の夢　特別ルール
雑談は議論討論にならない範囲でどうぞ。
特に、投下物等への感想について、否定するような言動は厳に謹んで下さい。
皆心に佐倉画伯を。

安価は>>1に対してのみ良しとします。

613 ：狩人 ★：2025/09/14(日) 22:49:44 ID:???

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.　　　　　　　　　　　　 | ﾚ'ニ二 ヽ＼Τ二 二ニニ��.,＿_
　　　　　　　　　　　r‐ ｖ 彡二二ﾉ／￣￣ ＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　ﾋ'　|､＿_＞　７　丁￣ー‐=　 ／　＼::::::　　　　　まあまあそう照れなさんなって！
　　⊂⊃ 　 　 　 　 Vノ ,.ィﾉrﾃ｡ｧ __, く二フｧ‐ｆT´
　 ⊂ニ⊃Ε|　　 .／／〉　 ´￣´ 　 |　￣ 〈　l　|＼
　　＿「l＿￣　.／／:::/　__,　　　-┐　　　r'ｰ' / ヽ.＼　　　　　　　　あちらさんもきっと、お前の帰りを待ってるだろうからよっ！
　└ｧｫ r､┘∠::;＿:___｀Ｔ｀,ｨ┬r‐1 |　　　｢|一'｀ヽ__＼.＼
　 〈/ ｌ」 ヽ> ＼_人_／　｀}エｴＬリ　　　 ﾉｿ ､ 　 /＿＼　 ヽ
.　　 　[l］ｎ　─〉　〈─　‘┬‐一'__　r┐ｨ'　 | ／＿＿__＼
.　　 　⊂ィ　／^Y^＼　　人　　l斗: :´: /　／-‐ ＿__￣｀ ヽ
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　　　　　　　　　　　　 　 ヽ:.:.:.: :-.-.:.:.:.:.:.:.:.:.:./.|　　　　　　　　　（だと、いいな）
　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／:.: |＝＼
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　　　　　　　　　三三三三三＾〜〜〜＾三三三三三三三三三
　　　　　　　　　三三三三三三三三三三三三三三三三三三
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614 ：狩人 ★：2025/09/14(日) 22:59:37 ID:???

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　　　　　　　　　／L -=ニニ＿ニﾆ＼＼
　　　　　　　 ／／ニﾆ_ -ニニニ=- _ﾆ〈
　　　　 　 ／／_　-ニ=-──-=ニニ＼!
　　 　 　 ﾉ /ニﾆ／　　 _　　-─=＼ニﾆ＼



　　　　前に、彼女にせがまれてその髪に花を挿した時、あの薄桃色のつやを持ったプラチナブロンドの髪に

　　　　指が触れたあの時。

　　　　その香りに鼻をくすぐられたあの時。いや――

615 ：狩人 ★：2025/09/14(日) 23:03:08 ID:???

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,　 '"´￣￣｀ヽ ＼　ﾄ､
　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／　／　　二　 ミ}　 ヽ|　ヽ!
　　　　　　　　　 `＝==ｧ'´　　/ ／／ 三二ソ 　 /　 /＼!
　　　　　　　　　　　 ／　　, イ / / ／ ／��.r‐'′ ,ｲ　　 ヽ
　　　　　　　　　　／／ // / / /| ///　　 ∠-rイ j川　 ヽヽ
　　　　　　　　　///　 //　|　l| | | |ﾊ{　　　 ∠jリ|/|川 　 ハ|
　　　　　　　 　 |/// // 　lト⊥|-{{ヽ !　　 　 ﾉ⊥L ﾘ　//川 !
　　　　　　　　　! ||　|　 |　||´ ,ｨテヾ 　 　 　 ´ﾄ-ﾍ」/ ///|| || |
　　　　　 　 　 　 ｌ!　| 　|　 Vハﾄ-ｿ　　　 　 　￣彡／ /刈 || !
　　　　　　　　　　 ヽ| ＼ヽ ヽ　'"　 　 〈　　　　　 〃// ﾚ7//
　　　　　　　　　　　　　　 ﾄ､「ト　　　 _.. --┐ 　 　 //　|/ /　　　　　まあ、あなたが執政官代理の方ですのね
　　　　　　　　　　　　　　 | ﾘ ∧　 　 ヽ 　 /　　　 //　 j| |
　　　　　　　　　　　　　　 |/ // ヽ、＿_`ﾆ---ｎｎｲ/　/ﾘ |　　　　　　ずいぶんとお若い方なので驚いてしまいましたわ
　　　　　　　　　　　　 　 / / /￣ 　 　 　 　 ｎ| | |_h ///7┐
　　　　　　　　　　　　／／／　　　　　　　　 | | | | | |/// /|
　　　　　　　 　,　　'´ _　イ |　　　 　 `＝=彡| | | | | | // /ヽ　　　　　あっ　ごめんなさい！　名乗りもせずに不調法でしたわね
　　　　　 　 ／ ,ィ７/　,.--┴‐ｔ￣￣ニ／　「| | | | | V/ /─ﾍ.
　　　 　 /／//////　　　　　ヽ　　/　　　}j　 　 　| |∧　　 　｀､
　 ｨ⌒　 〃 /// ///| 　 　 　 　 |　　　　　〈　　　　 | |　 |　　　 l.　　　わたくしはラクス――ラクス・ヤマトと申します
　 {{　　　　 |l　ﾚ/ ,'　|　　　　　 | |　 　　　　|　 　 　 j |ヽヽ|　 　 |
　　＼ ____,ｨ|ハ|／　ﾊ　　　　　 | |}　　　 　 ﾉ　　　 / / ヽ ヽ　　 l
　　 　 ／/ |{彳＝イ　! ／￣￣｀|j　　　　/厂〉 　 |　 |　 ||　|￣｀l
　　 ／ /　/∧ﾚ ///〈　　　　　　l　　 　 」 } （　 / 」　}＼||　|　　 l
　 /　　|///　/ //　/ハ　　 　 　 l　　　/| {/　＼ハ　ト个､/　　　ト
　,'　　 | /　 / /　　|　 ﾊ　　　　 　 !　 / / | 　 　 ） }）ヽl ヽヽ　 　 |
　|　　 | ||　 |　|　|　| /　ﾊ　　　　　 ∨　　 |　　ノ V/　 j　　||　　　|
　|　　 | ||　 l　|ヽ|　|/ / ﾊ　　　＼　/　 ／ ／　 /　 ∨　　ﾉ ＼　 |
　　　　V」　|　|　}| ﾉ　 /　ヽ　　　//　 /￣　　 （　　 /　　/　　 ヾ |
　　　 /　|　j　|　ﾘ　　/　　ﾊ　　/ /　〈　 ⌒￣ /　　 〉　　`ー‐､　 〉
　__／　 //　 レ'　／　　/ ∧ / /　　 `ｰ､　　　＼　（　　 　 ／ 　 |
　　, -　 ´￣,　- '　　 ／ /　 〉　　レ'　 　 ＼　　　|　 ）　　く　　　 |
　/／　　／　 　　 ／　 /　 / ＼　　　}　　　 ヽ　　ヽ ＼ 　 ヽ 　 /



　　　　帝都の開発省で、無常事務官に引き合わされた時。あの時だ。

　　　　自分は、あの瞬間から――彼女を。彼女に。彼女へ。


　　　　間違いなく、あの瞬間、自分は彼女に恋をしていた。

616 ：狩人 ★：2025/09/14(日) 23:09:11 ID:???

　　　　　　　　　 　 　 　 　 ､
　　　　　　　　　 ､＿_　 -─ `ｰ-　」､
　　　　　　　　　 _＞　　　　　　　　　 ＼
　　　 　 　 　 ￣／　　　　　　　 　 　 　 ＼
　　 　 　 　 　 ｨ　　/　　　　　 　 　 　 ﾘ　「
　　　　　 　 ￣l　 ､{　　　　　　　　　　　　 '，
　　　　　　　　 | ヽ ＼　　ヽ　　　　　　,!　 ﾄヽ
　　　　　　　　 ﾊ_ ∨　 l　 乂　　　　 / 　 !
　　　　　　　　　|:ヽ ヽ　ヽ　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　ヽ: ﾊ ＼　　　 　 　 /／/
　　　　　　　　　　 ﾍ: ＼　　　　　 ／　/
　 　 　 　 　 　 　 　 ＼: ヽﾄ､ﾊ w､,ｨ､/
　　　　 　 　 　 　 　 　 ＞‐_二二二ヾ､
　　　　　　　　_　-=　￣￣　　　　　　￣¨　-　_
　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　¨〜､
　　　　　 ./　　 ヽ　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ヽ
　　　　　 l　 　 　 ∨　　　　　 　 |　　　　　　　　 　 /　 ',
　　 　 　 |　　　　　∨│ 　 　 　 |　　 　 　 　 　 　 l　　 |
　　 　 　 |　　　　､　∨!　　 　 　 |: .　　　　　　　　/　 ,　|
　　　　 ./!　　　　 ∨ l:!: .　　　　 |: : . . l: .　　 　 ./: : /　:|
　　　　 |│ 　 　 　 ∨|: : .　　. : /: : : : :ヽ: .　　 . ! : / 　 ﾊ
　　　　/　　　　　　　∨: : : . : :./: : : : : : : :＼: : : |: : : 　 　 ',


　　　　けれど、それは全部ひた隠しにするつもりだった。

　　　　何故と言って――到底、彼女が自分のような、年も背も及ばない子供など

　　　　相手にしてくれるとは思えなかったからだ。

　　　　今の銀河では、教育ツールを使えば必要な情報は記憶領域に定着出来るし、

　　　　何なら多少の手技だって運動記憶として身に着けられる。

　　　　実際自分は惑星経営のための必要な知識と農業知識や技術もある程度学習済みだ。

　　　　けれど――だからと言って

617 ：狩人 ★：2025/09/14(日) 23:20:19 ID:???

　　　　　　 　 　 ./!　_ ｨ＿＿＿＿
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　　　　　　　 ／　　　　 　 　 　 　 ヽ,_
　　 　 　 　 ´7　　　　　,　　　/ ,　　i
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　　　　　 　 ／ﾆﾆﾆ＞ﾆ´ﾆﾆﾆニヽ
　　　　 　 /ﾆｰ― "ﾆﾆﾆニ＞ ´￣＼
.　　　　　/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ＞"ﾆﾆﾆﾆﾆニ,
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　　　　 i|ﾆﾆﾆ＞"ﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ,
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.　　　 　 |ﾆﾆﾆﾆﾆ'ﾆﾆﾆ�Yﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ,
.　　　 　 |∨ﾆニ/ﾆﾆﾆﾆ�Yﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ|!
.　　　　　|ﾆ､ﾆﾆ'ﾆﾆﾆﾆニ�Yﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ,
　　　　　 iﾆﾆ""ﾆﾆﾆﾆﾆニ�Yﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ,
　　　　　 |ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニi|ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ}


　　　　だからと言って。

　　　　それで、自分が彼女と並んで立てるような――そんな光景は、想像する事が出来なかったのだ。

　　　　きっと、彼女にとって自分は少しの間の雇い主であり、いずれどこかへ去っていくのだと。

　　　　そう思って、蓋をしたのだ。だのに。ああ――だのに。

618 ：狩人 ★：2025/09/14(日) 23:24:59 ID:???

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　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 | | ｜: :｜:.:.|‐＼Ν￣＼: |　　 　 ／:厶イ厶イ |: : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 | | 八: :八 八 ,ｘ===ミ 　＼　　　x====ミ /: : :/: |: /
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 八|＼(＼: :＼:ヽ乂ｚｚﾘ　　　 　 　乂ｚｚｿ／:彡ｲ.:/|/　　　　……どうか、あなたの手で
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼|＼: :＼＼::::::::　　　　　　 :::::::::￣/: : :.ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /: :.|｀圦⌒　　 　 　 l　　　　　　 /: : :.:| |　　　　　　　髪に差してはいただけませんか？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´￣｀|: :.:会｡,　 　　‐-　-‐　　　 .ｲ: : : : | ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／　　　　/ : : : |ヽ:ト　　　 ｀´　　　ィ L|: : : : :|斗--ミ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　 |: : : : :|　　 　＞ .,__,. ＜　 　 |: : : :.:.|　 　 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |: : : :.:.|　　`、　　　　　 　 　 | : : : : |　　　　　 ',
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　 　 　 |: : : : :.|　 　 ＼　　　 ／　　 |: : : : :.|　 　 　 　 ′
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／|　　 　 、　 |: : : : : |　　　　 ｀ 　 　 　 　 |: : : : |:|:　　　　 　 |＼
　　　　　　　　　 　 　 　 /⌒　　　　　 ／: : :|　 　 　 ＼八: : : : :|　　 　 　 　 　 　 　 |: | : : lﾉ　/　　　　 |: : ＼
　　　 　 　 　 　 　 　 　 |{　　　　　 ／: : : : ！　　　　　`､ ＼: :.:.|　　　　　　　　　 　 |: |: :./ ／　　　 　 八: : :.:＼
　　　　　　　　　　　　　八＼_____／ : : : _,,:　-‐=ﾆ二　￣|　　＼ | 　 　 　 　 　 　 　 |/l: / /＿__ 　 　 / : : : : : : :
　　　　　　　　　　　　　　 ＼＿__彡 ／　　　　　　 　 　 ｜　　　＼　　　　　　　　　 　 |/　′ 　 ｀`〜､、: : :＼ : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／: ／　　　　　　　　　 ＿,′　　　　　　　　　　　　　　　 　 |　 　 　 　 　 ＼ : : : : :｜
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /: ／　　　　　 , : : ''Ｔ￣___.′　　　　　　　　l:　　　　　　　　　トミ　 　 　 　 　 ＼: :| : |
　　　　　　　　　　　　　 　 /: 〈　　　　　 ／: : : : :}／　｜　 　 　 　 　 　 |:　　　　　　　　　|　　＼　　 　 　 　 ＼: :|
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 : : ∧　 　 ／＿＿_／ 　 　 |　 　 　 　 　 　 ｜　 　 　 　 　 　 |＼ / : ＼　　　　　　 ∨
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |: : | ∧　 /　　　／ 　 　 　 ∧　　 へ. 　　 　 |　 　　 _　　　　 八　＼__: : ＼　　　　　 }
　　　　　　　　　　　　　　八 : V ∧/＿＿/ 　 　 　 ｲ￣込／　　＼ 　　 |　　　/　 `''　∠ﾉ 　 　 ＼￣¨`、　　 ／
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼∨: : : : : :/　　　 ／_,」 　 ＼　　　　 ＼__人__／　　　　／ ＼　　　　`、 　｝　／
　　　　　　　　　　　　　　　　|: ＼: : : : :〈 　 　 /￣　} 　／　≧=ー- 　＼／ --‐=≦＼　　/＼　　　 ﾏ''Ｔ´/


　　　　自分の手が届くように、膝をおって目線を合わせてくれたあのひとの髪に触れた瞬間、

　　　　その感情ははっきりと容になっていったのを憶えている。

　　　　まだ言葉になりきっていなかった思いが、あの瞬間から、ずっとずっとあの人と出会って以来

　　　　自分の中にあった光が、形を成していったのを憶えている。言葉が生まれたのを憶えている。


　　　　僕は――あの人に、恋をしたのだと。


　　　　その言葉が自分の中で生まれたのを。

619 ：狩人 ★：2025/09/14(日) 23:27:05 ID:???

　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､
　　　　　　　　　　　＿　　 乂＼_　　　/|
　　　　　　　　　　＿＞ ￣￣, 　 ￣　-､＼
　　　　　　　　　 `ｰｧ'/,　ｨ' /　　　 　 　 　 ヽ
　　　　　　　 　 　 /／l/: l/| |　　 l l　,　 　 　 　 ､
　　　　　　　　　　 /≧y : : |/　　// / 　 　 　 ∨|
　　　　　　　┌-‐': /ｿ>ｧ: : :|　 ／／　　　　　 　 |
　　　 　 　 　 } : : : ￣ : : : ノｨ彡く　　　　 　 　 　 ',
　 　 　 　 　 〈: : : : : : : : : : : /: 7:.|　　 /　　　　 |ヽ',
　　　　 　 　 |:｀ : : : : : : : : r:':_ノ:/　　/ /　　　　l!
　　 　 　 　 /: : : : : : : : :ｨ┬=≦　 ／イ　 /　　 '　　　　　ラクス――
　　　 　 　 ゝ :_: : :-=≦:.:.:.lﾊ　 ￣　　 _／　ｨ' /
　　　　 　 　 　 ＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾉ!　　　／,.｡*'　 |/
　　　　　　　 　 　 |:.:.:/:.:.:.:.:.:.:ヽﾍ /イ
　　　　　　　　　　 |:./:.:.:.:_　-=ニニ-､
　　　　　　　　　／L -=ニニ＿ニﾆ＼＼
　　　　　　　 ／／ニﾆ_ -ニニニ=- _ﾆ〈
　　　　 　 ／／_　-ニ=-──-=ニニ＼!
　　 　 　 ﾉ /ニﾆ／　　 _　　-─=＼ニﾆ＼



　　　　今無性に、その人に会いたくて、仕方がなかった。


　　　　おしまい

620 ：狩人 ★：2025/09/14(日) 23:27:22 ID:???

以上、投下終了。久々だったのでちょっと巻き戻す感じで。

621 ：キル夫中尉：2025/09/14(日) 23:36:34 ID:mf6/HTFg0

乙でした
今彼女は何をしているのか・・・

622 ：名無しの読者さん：2025/09/14(日) 23:39:05 ID:uSLYeF0i0

乙
しかし渦中だからどうなるか